5月の誕生石（エメラルド＆翡翠）

エメラルドグリーンと言われる美しい緑色の宝石ですが、内包物が多く、通常は含浸オイル処理が施されています。鉱物はアクアマリンやモルガナイトと同様のベリルで、和名は翠玉、緑玉。 内包物が多いため、欠けやすく慎重な扱いが必要です。そのため角を落として欠けにくくするために、エメラルドカットというエメラルド独自のカットが生まれました。 コロンビアやアフリカで産出されますが、コロンビア産の黒がかっていない深くて綺麗なエメラルドは特に有名です。ザンビアのエメラルドは透明度が高く、こちらも美しくて評判も良いです。また、オイル処理しなくても美しい「ノンオイル」エメラルドは珍しく、高値で取引されています。

エメラルドは緑色を表す古代ギリシャ語の「smaragdus（スマラグドス）」に由来します。発音が変化して現在の「emerald(エメラルド）」のなりました。 歴史上の神話や伝説によく出てくるエメラルドですが、アレキサンダー大王が守護石として持っていたり、クレオパトラが惚れ込んだ石としても有名です。

石言葉は「富・繁栄・幸運・幸福」。
エメラルドは「愛の象徴」とされ、恋愛成就や結婚のお守りとしても重宝されてきました。 英知を授けてくれ、心身のバランスを保って豊かな人生を送れるようにしてくれます。
恋愛成就、幸せな結婚生活を望まれている方におすすめです。

エメラルドは内包物が多く、非常に繊細な宝石です。基本的には使い終わったら柔らかい布で優しく拭きましょう。
他のジュエリーと当たると欠けたり、日光が当たるとオイル処理が乾燥して割れる可能性があるので、直射日光が当たらないように個別保管しましょう。
また、超音波探傷は絶対避けてください。内包物が多く、オイルが抜けて割れる可能性があります。

日本の国石にも指定されている翡翠。日本でも産出されており、縄文時代から使われていたとか。
鉱物名はヒスイ輝石で和名は硬玉。英語で良くJade（ジェード）と言われていますが、これは大きく２つに分かれおり、見た目はよく似ているのですが、まったくの別物です。一つはここでも取り上げている翡翠（本翡翠）でジェダイト/硬玉と言われ、宝飾品に使われており、高価です。もう一つはネフライト/軟玉と言われ、ジェダイトとは鉱物も異なり、まったく別物になります。中国で主に産出され、お値段も比較的安価となります。
ジュード＝本翡翠と思われている方も多いので、注意が必要です。
産地はミャンマーが最大の産出国で、その他にも日本とメキシコが三大産出国となっています。日本では糸魚川周辺地域が有名で、良質な翡翠が産出されています。
色は緑色のイメージが強いですが、その他にもラベンダー色やオレンジ色、白色などもあります。
モヤが少なく、とろんとした濃い緑色が人気で、高値で取引されています。

宝石の翡翠は、清流に生息し青緑色の美しい羽を持つかわせみ（翡翠）が由来です。
また、英語の「Jade」はスペイン語の「piedra de ijada(腰の石)」に由来しており、翡翠を腰痛などの治療に使っていたのだそう。

石言葉は「高貴・健康」。
東洋では皇帝や国王の象徴とされたほか、長寿の石としても重宝されてきた翡翠。五徳（仁・義・礼・智・信）をもたらしてくれ、冷静かつ忍耐力をもって理想的な人格作りを形成してくれる、と言われています。
営業など人と接する機会が多い職業に就かれている方や、精神向上を望まれている方におすすめです。

翡翠（ひすい）は柔らかく、デリケートな宝石なので、注意が必要です。
使い終わったら、柔らかい布で拭きましょう。保管は他のジュエリーとは当たらないように直射日光を避けて個別保管しましょう。直射日光が当たると退色する可能性がございます。
洗浄については、コップにぬるま湯を入れて、中性洗剤（食器洗い洗剤）を少し入れます。その後、柔らかいブラシ（毛が柔らかい歯ブラシ）を洗剤につけて軽く叩くように洗ってください。ごしごしこする様に洗うと、翡翠が傷ついたり、翡翠を留めている爪が浮いたりするので、叩くように洗うのがポイントです。洗い終わったら最後にぬるま湯で翡翠を洗い流してください。
翡翠は超音波洗浄はNGです。超音波の振動が内部のインクルージョンや表面の凹凸に作用し、ひび割れの原因になります。